「入った当初は
毎日うっとりしてたんですけど、
5年目にもなると、なんだか白衣と
ナース服は飽きちゃって。」

悪びれた風もなく、可愛い笑顔で
奈南が言うと、大和先生は
更にがっくりきている様子だった。

それでも気を取り直して
大和先生は私の方を向き

「花菜も、消防士好きなの?」

と聞いてきた。

「先生。消防士が好きなんじゃなくて、
今は制服がカッコイイ話を
してたんですよ。」

と伝えると、なんとなくほっとした
ような顔をして話題を変えてきた。

「あ、そうそう。夕方、電話くれる?」

きっと相川さんの件だろうと
思っったので、

「了解しました。
なかなか進展がなくてすみません。」

と軽く頭を下げてその場を後にした付に着くと、
2人の消防士さんが総合案内の派遣のお姉さん達と
話しているとこだった。

「お仕事たいへんですねぇ。」

(色目使いやがって。)

なんて、言うくらい目がうるうるして、
いかにも女の子な声で話していた。

総合案内だって立派な仕事なのは分かるけど、
あからさまな色目には腹が立ったので、

私達は笑顔でいながら割り込むように入っていって声を掛けた。

「お待たせしました。
相談室の西村です。」

「門崎です。」