私達が歩く散歩コースの隣はすぐ海だった。
海はどこまで深く濃い青色で、
近くに停泊している大きなヨットや
遠くの方にいる小さなヨットの白がやけに
海の色に映えて見えた。

間近に見る海はとても綺麗でいつまで見ても飽きなかった。


昼間の時間帯は親子連れの散歩客も多く、
小さい子の姿もたくさん見かけた。


「平和だなぁ…。」

砂浜に辿り着いて、穏やかな海を
見ながら陽希君が言った。

「小さい子があんなにはしゃぐ位だもん、
海ってやっぱり凄いんだね。」

波打ち際で2歳か3歳位の女の子が波と
追いかけっこをしていた。
愛くるしいほど可愛い姿に
ついつい見入ってしまった。

「花菜さん。
小さい子好きなんだね。
今、凄く優しい顔してた。」

車を降りてからずっと手は繋いだままだった。

(陽希君は、私が大和先生と関係を
持ってるって知ったらどう思うんだろう…。)

手は繋いだけど、常に不安。
恋愛をするときはいつもこんな感情になるけど
今回は今までとは全く違っていた。

私自身が、2人に魅かれていたからだ。