「彼女?
・・・いないよ」
・・・いないんだ。
ホッとしている自分がいるのは、なんで?
もう、拓馬なんてどうでもいいはずなのに。
「じゃあ、次」
次は、少しチャラチャラした男子だった。
・・・この学校、ぶりっ子とかチャラチャラした奴しかいないのか。
「先生は、好きな人いますか?」
・・・恋愛系しか、聞くことないのか。
「いるよ。その人しか、見えないくらい」
言ってから、「あ、ゴメン。忘れてくれ・・・」と、下を向いて、頭をかいていた。
ぎゅう・・・とまた胸が締め付けられる。
もう、やだ。
拓馬に会ってから、胸が苦しいよ・・・。
女子たちは、「好きな人、いるんだ・・・」と、ガックリと肩を落としていた。
みんな、聞くことは一緒だったのか、たった二人が質問しただけなのに、残りは数名の人になっていた。
後の質問は、なんで先生になったのかとか、今何歳なんですかとかの質問ばかりだった。
なんで先生になったとか、何歳かなんて、私は全部知ってる。
忘れたはずの懐かしい記憶が蘇る。
拓馬のこと、私は本気で好きだった。大好きで、拓馬を一番に考えてた。
ホント、馬鹿みたい。
私は。
――――拓馬にとって、遊びだったのに。
