「・・・っ」
いてもたってもいられなくて、何も言わずにその場を立ち去った。
拓馬がなんで私を抱きしめたかが、わかんない。
あのとき忘れたはずの感情が、フツフツと心の奥底から湧いてくる。
それが怖くて、私は教室へは行かず、無意識のうちに、私の足は屋上へ向かっていた。
ズッシリとした屋上の扉をあけると、綺麗な青空が私を迎えてくれた。
“郁”
私の名前を優しく呼ぶ、あの声が頭から離れない。
あの瞳に見つめられると、ドキドキして、息苦しくなる。
「ち・・・がうもん・・・っ」
違う、違う違う違う・・・!!
心の中で何度も消そうとしても消えない。この気持ちは、“好き”なんかじゃないもん・・・っ。
「・・・郁?」
