秘蜜。


どうしよう。

こんな姿、見られたくなかった・・・。

「どうしたの?

・・兄貴がなんかした?」


優しく私の頭を撫でる広武先輩。

今、優しくされると、困る。

「やさ・・しくっ、しないでぇ・・っく」

嗚咽のせいで、上手く言葉が喋れない。

泣き顔なんて、見られたくない。

「郁」

優しく名前を呼ばないで。

拓馬を思い出してしまう。


“遊びだった”って言われても、諦められない。

未練がましい私。

「・・なにが、あった?」

「・・・・っ」


泣きじゃくる私の顔を覗き込む。

・・・私、今酷い顔してる・・・。

「やっ・・見ないで・・・っ」

恥ずかしい。恥ずかしい。



これが、夢だったら。

なんて、淡い期待を抱く私。

夢なわけ、ないのにね。