秘蜜。


だんだん、顔が赤くなっていくのが分かる。

熱い顔を冷まそうと、自分の手で顔に触れると、冷たくて気持ちよかった。

「あの・・・」

くいっ、と広武先輩の制服のブレザーの裾を引っ張った。

「ん?」

下を向いている私の顔を覗き込んだ。

近くに整った顔があって、別に好きなわけじゃないけど、ドキドキした。

うう・・・。

さらに顔が熱くなった。

「えと・・・。
カッコいいって言われると、嫌・・・ですか・・・?」

「え?」

そう聞くと、クスクスと笑い出した。

・・・また、笑われてしまった・・・。

「別に、嫌じゃないよ。
てか、むしろ嬉しい」

「・・・よかったぁ・・・」

嫌な気分になってたら、どうしようかと思った。

「・・・あ、郁。もう7時になるけど、大丈夫?」

拓馬さんと話していたユメが、時計を見て言う。

「あ・・・。私、お母さんに言ってないし、もう帰らせて貰いますね。
ありがとうございました!」

鞄を持って、帰ろうとしたら、拓馬さんが私の腕を引っ張った。