秘蜜。


拓馬さんに通されて、リビングに入ると、ふわりと鼻を掠める、花の香り。

・・・これは、スイセン?

見渡して見ると、家族写真だと思われる写真立ての横に黄色と白のスイセンが側に添えられていた。

「じゃあ、ゆっくりしていってね」

と言ってリビングから出て行こうとする拓馬さんをユメが引き止めた。

「待ってください。ヒロくんがくるまで、一緒に話しませんか」

拓馬さんは、驚いたようで、目を一瞬見開いたけど、すぐに微笑んで

「うん。郁ちゃんがよければ」

「え、全然・・・むしろ、話して欲しい・・・です」

「そう。なら、いようかな」

私たちが座っているソファーの向かい側に拓馬さんは腰をかけた。

・・・どうしよう。

前、見れないよ・・・。

「郁ちゃん?」

「ふぁい!?」

いきなり声を掛けられたせいで、変な声が出てしまった。

や・・・やってしまった・・・っ。

ちろっと拓馬さんを見ると、声を押し殺して笑っていた。

もう、やだぁ・・・。

いつもこうだ。緊張すると変な声出るし、下ばっかり見ちゃって・・・。

感じ悪く、思われてないかな。

「・・も、だめ・・・あははは・・・」