「うん。そう。ヒロくんね、郁を見て、『話してみたいな』って呟いててね。
だから、会って欲しいな〜・・・って」
「いいよ、何処で?」
「んー。ちょっと待ってね」
ユメは、制服のポケットから携帯をだし、誰かに電話をし始めた。
たぶん、相手は広武先輩だろう。
「・・・あっ。ヒロくん?
あのねぇ、今日の放課後、郁を連れてヒロくんち、行ってもいい?」
えっ。広武先輩の家に行くの?
別に、マズイことはないが、会釈するくらいしか関わってないし、ほぼ初対面の人の家に行くのは、少し気が引ける。
「ユメ・・・」
近くのカフェでいいんじゃない、と提案しようとしたけど。
「うん!ありがとー。郁連れて行くね」
・・・遅かったらしい。
「・・・郁、さっき何か言いかけたよね。なに?」
もう、遅いです。
肩を落として、力なく首を横に振った。
「そっか。よーし!次の授業で最後だしっ。早めに行こうね」
にこっと私に笑いかけて、ユメは自分の席に着いた。
