電話に出ないのはいつもの事。
一緒に帰れないのも、いつもの事じゃん。
なのに何で、今更メールなんか送って来るの?
そうメールしたいけど、出来なかった。
「愛波、へーき?」
萌の不安そうな声にハッとして、あたしは立ち上がる。
頭の中の邪念を振り切るようにして、美羽に手を突き出した。
「全然っ!それよりお腹空いた!美羽、お菓子ちょーだいっ」
「ったく愛波は……食い意地張りすぎだって!」
「あっ、萌にも〜!!」
柊哉、あたしにやましい事でもあるの?
喉の奥から出かかった、不信感。
一瞬でも、柊哉を疑った自分が嫌だけど。
そんなの思いたくなかった。
でも、信じられないあたしは、もっとバカだ。