◎Side 愛波
「…あれ?愛波、ケータイ鳴ってない?」
翌日のお昼休み。
仲良し3人組で、教室でお弁当を食べていた時、ケータイのサブディスプレイがピンクに光った。
あたしは慌てて箸を置き、勢いよく画面を見た。
ピンクの光は、柊哉専用に設定してある。
「あれれ〜?彼氏様かしら〜?」
「いやーん愛波!昼間っからイチャイチャしないでよぉ」
横から茶化すのは、美羽と萌。
「ちょっ、違うし!イチャイチャなんてしてないじゃん!」
ケータイを見ようとする2人を全力で阻止しながら、あたしはメールの受信ボックスを開いた。
【To 吉澤柊哉
Sub:無題
電話出来なくてごめん。
今日も先に帰ってていいよ】
「………バカ」
しゃがみ込みケータイを見ていたあたしは、ボソッと呟いた。