海斗が言いたい事は分かる。

俺の彼女、愛波の事だ。


チビで素直じゃなくて、だけど、めちゃくちゃ可愛い彼女。

友達曰く“中の上”らしいけど。


そろそろ付き合って3ヶ月。

告白したのは俺じゃないし、初めての彼女でもないけど。


「サッカーと同じくらいとは言わないけど、ちょっとは構ってやってよ」

「構ってやれって……俺ら2人で会ったの1ヶ月前なんだけど」

「愛波ちゃんが不憫でならない。マジで」


呆れて溜め息をつく海斗に、俺は気まずくて目を反らす。


会えない相手の事が100%分かるなんて、俺には出来ない。


ごめん……愛波。