「なっ、ななな何?!」
「はは、テンパり過ぎじゃね?」
ただでさえドキドキしていた心臓がドクンと跳ね上がって、思わず俯いた。
そんなあたしの心境を悟ったのか、柊哉はまた喉の奥で笑った。
「……愛波」
でもそんな声で名前を呼ばれたら、否応なしに顔を上げてしまう。
ぱちっと合った目と目。
片想い時代よりも恋い焦がれた男の子が、あたしを見つめ、微笑んでいる。
「……柊哉?」
苦しくなる。好き過ぎて。
だけど、溢れて止まらないよ。
「本当は退院したあしで迎えに行こうと思ってたんだけど、愛波から来てくれた」
「え?」
「愛波、デートしようか」


