雪降る場所で、僕等は。



「愛波、まだ俺の彼女でいてくれる?」


いつになく弱気な柊哉が愛しい。

どうしようもなく抱き締めたくなった。


女の子でも、こんな気持ちになるんだ。


「柊哉以外の彼氏なんて、雪が降らないクリスマスと同じくらい魅力ないよ」

「あははは、なんだそれ」

「ちょっと!あたしは真面目に言ってんだけど!伝わってる?!」


本気半分、照れ隠し半分。


ムキになって声を張ったら、柊哉は呆れたように笑って、あたしの前まで歩み寄った。


急に近づいた柊哉に、無条件に顔が熱くなる。


その辺のアイドルなんかよりカッコ良くて、モデルみたいな身のこなしで。

ドキドキ高鳴る鼓動は、止まらないし、止める気もないけど。


「……照れてる、愛波」

「……、別に…」


そっぽを向いたあたしにムッとしたらしい柊哉は、不意にあたしの手を取った。