『……愛波!』
突然甲高い声が電話口からして、あたしはビクッとのけ反った。
「……った!何?」
『愛波!大変だよっ!!』
「どうしたの?バイトは?」
焦りが伝わる萌と裏腹に、あたしは何が何だかわからなくて、キョトンとする。
『っ、柊哉君が……』
柊哉……?
『柊哉君が倒れたって!!』
「倒れ、た……?」
『さっき萌のバイト先に海斗君がたまたま来て、昨日倒れて病院にいるっ……』
萌の言葉もそこそこに、あたしは電話を切った。
「愛波?」
「あたし、ちょっと出てくる!!」
びっくりしたママをよそに、次の瞬間には家を飛び出していた。


