……とか言って、ほんとはパーティーはない。
家で、のんびり過ごすつもりだ。
こんな事、2人にばれたら怒られそうだから、本当の事は言えなかった。
それに、クリスマスくらい、美羽と萌、それぞれのクリスマスを過ごしてほしい。
そんなの、綺麗事かもしれないけど。
クリスマスくらい、柊哉からの連絡に期待したって、いいよね?
「ただいまーっ」
「あれ、今帰ってきたのねー。ちょっとタイミングずれちゃった〜」
「え?」
家に入るなり、受話器を持ったママが、あたしを見て溜息をついた。
「何のこと?」
帰ってきて早々、娘の顔見て溜息なんて……ママ、失礼なんだけど。
「さっき、萌ちゃんから電話来たのよ。愛波のケータイ繋がらないからって」
「萌?うそ……」
ケータイ、鞄の中だったからかな。
全然気づかなかった。
ていうか萌、バイトは?
いろんな考えが交差しながらケータイを取り出すと、ちょうど萌からの着信が来た。


