◎Side 愛波
「「I want you〜〜♪」」
冬休みに突入した。
そして今日はクリスマスイブ。
今日が終業式だったあたしは、放課後にそのまま美羽と萌とカラオケに来ていた。
「喉枯れそー!」
「萌も!」
ソファーに倒れる美羽と萌に、あたしは爆笑する。
「だって昨日も来たんじゃーん!あたしも痛いけどー」
一通り騒いで落ち着き、お喋りが何となく始まる。
昨日からぶっ通し美羽と萌と遊び回っていて、あたしはなんとか気持ちを保っている。
「てか愛波、今日夜、あたしの家でお泊り会しない?」
ガバッと起き上がって言った美羽の目は、気づかないくらい、小さく揺れていた。
萌なんて、マイクを潰しそうなくらい強く握り締めている。
あたしはそんな親友の心遣いが嬉しくて、でも首を振った。
「ごめんね、あたしやめとく」
そんなあたしに美羽と萌は顔を見合わせて、それから遠慮がちに聞いた。
「もしかして……柊哉君?」