◎Side 愛波


「宮崎さん」


ぽんっと肩を叩かれてふと顔を上げると、図書室の先生が心配そうにあたしを覗き込んでいた。


いつの間にか寝てたみたい。

枕にしていたらしい腕がジンジン痺れて、あたしは腕を振った。


「あなた大丈夫?ずっと眠ってたから体調悪いのかと思って……」

「……大丈夫です。すみません」


先生にぺこりと頭を下げる。


「ならいいけど無理しちゃダメよ。……もう図書室閉めるから、支度してね」

「あ……はい」


中途半端に寝たせいで頭痛がするけど、図書室が閉まるって事は6時過ぎってこと。

バス通学だから、早く行かないと遅くなっちゃう。


あたしは急いで校舎を出た。