「う~む…」

天神学園、その中庭。

丹下 龍太郎(たんげ りゅうたろう)は白い箱を抱えたままベンチに座る。

先程、雪娘の同級生と会った。

何やら全身からもうもうとドライアイスのように白煙だか湯気だかを噴出していた彼女。

熱でもあるのだろうと思い、保健室に行く事を勧めたのだが、その途端に彼女の熱は悪化。

こりゃあいよいよ救急車でも呼ばねばならないか、いやしかし雪女を診てくれる病院などあるのか?

そんな事を悪い頭で考えていた矢先、突然真冬の日本アルプス並みの吹雪に見舞われ、龍太郎は学内遭難に遭う所だった。

げに恐ろしきは小梅ちゃん。