「分かってないなぁ、絢花は」 俺はそう言って絢花を抱きしめる。 「俺が手出さないのは、絢花が大事だから。絢花を傷付けたくないから。 絢花がそんなふうに思ってくれてるなんて思いもしなかった。ちょっと嬉しいな」 「ほんとに…?」 「ああ、本当に。今だって、すげぇ我慢してんだから、あんまそんなこと言わせんなよな」 「よかった…」