しゅわしゅわしゅわしゅわ―… 私の指の隙間から、ピンク色の液体が流れ出す。 球形がくずれていく。 あぁ、こうして、彼との日々も私の手の中を流れていってしまったのか… お風呂に口までつかって、ぶくぶくと子供のように泡をつくってみる。 あたたかい、いちごの香りの湯気が鼻を抜ける。 そっと手を開いてみた。 もう、球体はない。 溶けきってしまって、私の手に残っているのは、ピンク色といちごの香りだけ。