キケンな偶然

☆偶然の積み重ね☆

「及川、この成績じゃ進学は無理だ」
え?先生、今何ておっしゃいましたか?
「・・・もう一度お願いします」
「進学は無理だ」
「・・・」
「・・・」
「えぇェぇえぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!?」
今まで必死に頑張ってきたのにぃ?!
「及川、うるさいぞ」
「スミマセン・・・」
この先生は、わたしの担任の保高先生。53歳。
「うぅ・・・」
わたし、及川美雪は、見てのとおり、大バカでございます。
「まぁ、泣くなって」
「だってー・・・」
「うーん・・・更科君に頼んでみるか」
「更・・・科・・・?」
聞かない名前だなぁ・・・。
「そう。更科舜くんだ」
「その人がどうか?」
「彼は3年前にこの学校に来て、成績が悪い生徒の勉強を見てもらっているんだよ」
「へぇー・・・」
「ちなみに、東大出身だ」
「と・と・と・・・東京大学!!!!???」
「そうだ」
すごいんだなぁ・・・。その人。
「教育してもらいます!!!」
「もう準備はできてるぞ」
てことは、さっきの「頼んでみる」は嘘だったと・・・。
「さすが保高先生!!」
「頑張れよ」
「ハイ!」
「さっそく放課後に生徒指導室に行ってきな」
「わかりました~」