満開の桜。
真新しい制服。
綺麗な校舎。

期待と不安が入り交じって
いるであろう入学生の姿を
横目に足早に体育館に
足を運ぶわたし、矢崎静香。

私がこんなに冷めきって
いるのにはもちろん訳がある。

私のこの地味な見た目のせいで
中学生活ではいじめを受けていた。
家庭ではお母さんからの暴力。

親からも友達からも皆から
避けられ拒まれてきた。