苦く甘い恋をする。

「……そんなこと言われても、俺、笑いを我慢する自信ない」


ふるふる震える声。


口にあてた大きな両手の隙間から、ピクピク動く頬が見える。


はぁ? 冗談!?


何で私が会社の同期に、こんなにも笑われなきゃいけないわけ?


それにコイツ……。


私は目の前の、笑いを必死に堪えようとする同期を、細く細く開けた目で睨むように見つめた。


会社はもちろん、今日みたいな同期会でお酒が入った場合でも、こんな風に笑わないのに。


いったい、どうしちゃったんだろう?


それとも、何?


これがコイツの本性とか?