きょとんと首を傾げた私に、長谷川くんは衝撃の事実を口にした。


「さっき俺が連れ出さなかったら、おまえ、道端で新藤に刺されてたぞ?」


「……え……まさ……か……」


そう言いながらも、否定できなかったのは……。


新藤くんの病的な瞳に気づいていたから。


上司や役員も含めた男性社員の、舐めるような目付きに気づいていたから。


ど……ど……どうしよう……。


そう思えば思うほど、心臓のドキドキも、体の震えも止まらない。