苦く甘い恋をする。

「ただ遊びたいだけなら、男を選べよ。おまえに本気で惚れない男」


「……やめっ……」


「ただし、俺を除いた中で」


長谷川くんは私の鼻から、スルリと指を離した。


「何すんのよ!! こんなことしたら、まっ赤になっちゃうじゃ……。ち……ちょっと!?」


私が驚いた声を出したのは、あたしの手首を掴んで引き寄せた長谷川くんの瞳が、見たこともないくらい真剣だったから。


「こんなことを言う理由、おまえにわかるか?」