苦く甘い恋をする。

「俺に本気でハマりそうな女には、手を出さない」


「…………」


「それが最低限のルールってもんじゃねぇ? でも……」


そう言いながら長谷川くんは、あたしの唇から指を外し、私の鼻を摘み上げた。


「おまえは、さ。なんで本気になりそうな男にばかり手を出すんだよ?」


「……離しっ……」


「ただのお姫様の気まぐれの遊びのクセに」


「……痛いっ……」