苦く甘い恋をする。

「別に? どうせタクシーで帰るんだろ? それなら心配する必要もない」


長谷川くんは、興味ないとでもいうように、ふいっと私から視線をそらした。


「ぐっ……」


「それとも……?」


長谷川くんは均整のとれた体で腕組みをし、そのまま上半身を折り曲げて屈むようにして、私の瞳を覗き込んだ。


「俺に、引き止めて欲しいわけ?」


「ち……ち……ちがっ……」


「とかなんとか言いながら? さっきから全然ベッドの上から動こうとしないんだけど? 奥脇さん」