苦く甘い恋をする。

長谷川くんはスックと立ち上がり、身を引く形で腕を伸ばし、ドアの方を右手で指し示した。


「む……ムカつく!! アンタ、仮にも私の同期でしょ!?」


「それが何か?」


「お……女の子をこんな時間にひとりで帰らせるとか……。心配じゃないわけ!?」


私はベッドサイドの時計を指差した。


今、24時20分。


普通なら、送っていくよって言われる時間。


それなのに……。