苦く甘い恋をする。

一緒にいるのに、こんなに寂しい思いをするなら。


こんなに悲しい思いをするくらいなら。


最初からひとりの方が、全然いい。




だから、長谷川くんのことも、これっきり。




それなのに……。


後ろを振り返って、長谷川くんが追ってきてくれないかとか、確認しちゃうような自分が情けなくて。


チラチラ舞う雪の中を楽しげに歩くカップルを横目で見ながら、私はひとり涙を零した。


だから嫌いなんだ。


こんなに弱い自分なんて。


やっぱり、好きになんて、なれっこない。