苦く甘い恋をする。

「んなの、女に頼めば簡単だけど? いちいち相手してやるのも面倒くさいし?」


そんな声がすぐ近くで聞こえ、長谷川くんはワイシャツを被ったままの私を抱きしめ、おでこの位置にキスを落とした。


「例えば、こんな風にとか?」


「もぉっ……。ムカつく!! 触らないでよ!!」


ムキーッと怒って長谷川くんを跳ね返し、ワイシャツを掴んでそれを床に投げつけた。


「もう帰るっ!!」


「はいはい、ご自由に。お帰りはアチラから」