苦く甘い恋をする。

「俺が熱出した時でさえ、ウチにいてくれなくて。
仕事を優先させるような母親でさ」


「ん……」


「ずっと憧れてたんだ。
こうして……おでことおでこを合わせるの」


そう言いながら体をずらし、長谷川くんは再び私とおでこを合わせた。


「これって、さ。すっげぇ愛情感じない？」


そう言った長谷川くんの顔は、今まで見たこともないほど子供っぽくて、それでいて、どこか諦めているようで……。


そんな長谷川くんの顔を見ていたら、胸がギュッと苦しくなって、私は長谷川くんの首に腕をまわして抱き寄せた。