苦く甘い恋をする。

「何すんのって? 別に?」


すました顔でそう言って、長谷川くんは私の顔の横にバン!と音をたてて両手をついた。


「いーこいーこでもしてあげようと思って」


「……はぁ?」


「俺の前で可愛い顔を見せてくれたら」


「……っ。アンタ、何言って……」


「しぃ……」


長谷川くんは、ひとさし指を自分の唇にあてた。


「ま、そうやってキャンキャン吠えてる顔も可愛いけど?
俺の好みを強いて言うなら……」