苦く甘い恋をする。

「とかなんとか言って。
結構動揺してるクセに」


「……はぁ!? 動揺とかしてないし。
そ……そもそも、私、先に帰るところだったし?
……っていうことで、お疲れ!!」


私は額の横、軽く片手をあげて歩きだした。


こんなヤツとこのままここにいたら、もっとボロを出してしまうに違いない。


だから足早にその場を去ったつもりだった。


……けど?


「……な……な……何すんの!?」


数歩で追いついたらしい長谷川くんに腕を掴まれて、そのまま壁に押し付けられた。