苦く甘い恋をする。

直接的にバカにするつもりはなくても、態度に滲み出るのをあえて隠したりしなかった。


でも……蓋を開けてみれば、バカにされていたのは、私の方。


それがわかった今、すごく悔しい。


「バカッ! 長谷川くんなんか嫌い!!」


ベッドの上に足を曲げて座ったまま、ふかふかの枕を腹立ち紛れに、ヤツに向かって放り投げる。


「あっち行って!!」


するとそれを普通に手でキャッチした長谷川くんは、にんまり笑って、それを私に向かって投げ返してきた。