苦く甘い恋をする。




カツカツカツ……。


靴の音を響かせて、長谷川くんはだだっ広い会議室の中央奥まで足を進めた。


そんな長谷川くんの後ろから会議室に入ろうとして、私は驚きの声をあげた。


「えっ!? 会議の準備なんて、ちゃんと出来てるじゃない!!」


それもそのはず、100名収容の会議室の机の上、マイクスタンドの前には資料がきちんと置かれていた。


それなのに、どうして……。


私に手伝って欲しいとか、嘘をついてまで連れ出す必要があるの?