「……はぁ? 何ソレ……」


「You suck!」


長谷川くんは顔を歪め、私を押すように突き放した。


「あのさ。大人になるって、心を殺す事とは違うだろ?」


「……は? アンタ……何言って……」


「“こんなこと、何でもない”って。取り澄ます事とも違うだろ?」


「……いや……あの……」


「何でもないって顔してんじゃねぇよ!」