苦く甘い恋をする。

でも……。


「おまえ、さ。いつも……。何でそのままでいないの?」


「……え?」


長谷川くんの言葉に、私の顔を覗き込みながら後頭部をするりと撫で下ろす手の優しさに、慌てて引っ込めたはずの素の表情が溢れ出す。


それを確認してから長谷川くんは、私の瞳から視線を外した。


「どうして無理に……大人ぶるんだよ」


「べ……べ……別にっ……。大人ぶってなんか……」