苦く甘い恋をする。

「……んだよ、おまえ。結構可愛いところもあるじゃん」


思いがけず、長谷川くんの顔が近くにあったから。


でも、そんなことで動揺したとか思われたくなくて、私は急いで虚勢を張った。


「な……な……何ソレ。……ってか、その前に。
帰してよ!!」


「……ん?」


「さっきのお店でも、家でも。すぐに私を帰してよ!!
私、アンタの仕事を手伝う義理もないし。
アンタとふたりっきりになりたくないし!
口もききたくない!」


「へぇ……」