苦く甘い恋をする。

「ちょっと待てよ」


空気を切り裂くような鋭い声と、私を抱きしめる力強い腕が降ってきた。


“は? 何!?”


そう口にするよりも早く、体を回転させられ、柔らかいもので口が塞がれる。


それは、あまりにも場違いな、情熱的なキス。


「…………」


……はぁ!? 冗談でしょ?


……ここ、会社。しかも、まだ就業中!!



ついさっき“嫌い”だって言ったその口で、アンタ、いったい何するの!?


それに、私も“嫌い”だって言ったの、聞いたでしょ!!