苦く甘い恋をする。

上等じゃん。


私にケンカ売って、タダで済むと思わないでよね。


私はすぐ目の前にある長谷川くんの顔を睨みあげた。


「気安くさわらないでよ! それに、何? 情けない。
自分の営業力のなさを棚に上げて、私の批判!?
商談の成否を人のせいにしないでよね。
言い訳の材料にされるなんて、ホント、不愉快!!」


顔を歪め、大きな声で捲し立てた。


すると……


「それだけキャンキャン吠える元気があれば、大丈夫か……」


長谷川くんは口元に手を当て、フッと目尻を緩ませた。