苦く甘い恋をする。

コイツ……わざと?


そんなに私と話したくないの?


私以外なら誰とでも話すクセに、相変わらず感じ悪いな。


眉をピクリと動かす私を無表情に見下ろし、長谷川くんは愛海に声をかけた。


「じゃあ、俺、そろそろ行くわ」


「え~? なんで~? まだいいじゃ~ん」


「よくない、よくない。ほら、もうすぐ月末だし? 
早く部署に戻って、仕事しないと。
俺、めちゃくちゃ忙しいし?」


さっきまでゆったりとした雰囲気を漂わせていたクセに、正反対のことを口にする。


「え~? だって、今の話。美姫にも話したいしさ~」