苦く甘い恋をする。

知らなかったけど、コイツ、けっこう笑い上戸なんだ。


「ふーん」


唇を突き出し、冷めた声を出すと……。


「ふーん……って、おまえ。そんなに簡単に納得するんだ!?」


ヤツは口元から両手を離し、大げさなジェスチャーと共に、ソレを振り下ろした。


「さすがだな、奥脇美姫」


「ちょ……ちょっと!! 呼び捨てにしないでよ。超無礼!!」


「しかも、ツッこむところはソコなんだ」


そう言うと、目の前の豪く大きなこの男は、その長身を折り曲げるようにして大声で笑い出した。