俺のシンデレラになってくれ!

「あ、はい。まず、今日来てくれた2人は篠原美砂さんと黒川晴香さん。2人とも教育学部で、俺と同じ2年です」



手をゆっくりと動かしながら、篤がそこまで説明をした。


あたし達を指でささない辺り、印象はいい。



「次に、こっちは結のメンバーだよ。尾木勝[おぎまさる]さんは文学部の3年で結の会長。
こっちの女の子は同級生の高山由紀[たかやまゆき]で、小さい奴は1年の国枝良平[くにえだりょうへい]」


「篤さん!小さいって失礼です!」



かみつく犬を見て、篤が眉間にしわを集めた。



「本当のことだろ?しかもお前、何か犬っぽいし。最後に、このスーツの人が守田信吾[もりたしんご]さん。OB2年生で、ウチの大学の職員やってるんだ」


「……勝ち組」


「はい?」



一斉にぽかんとした表情を浮かべたみんなを無視して、あたしはそのまま言葉を続けた。



「勝ち組! 一生ついていきますっ!」


「一生!? 何それ、出会って15分で公開プロポーズ?面白すぎるんだけど」


「信吾さん、それは全然面白くないですよ!ダメです!」



一気に意識を取り戻したように反応した篤を見て、信吾さんが小さく笑った。



「そう? まぁ、楽しみにしてるよ。OBとして」


「だぁーっ!ダメだっ!! とりあえずこっち!」