俺のシンデレラになってくれ!

「うん。それは大丈夫」



頷くあたしを見て満足気に笑うと、雅也はにっこりと微笑んだ。


なるほどね、この笑顔なら塾の生徒にも人気があるかもしれない。


服装も白いシャツをなんておしゃれに着こなしてて少し爽やかだし、黒い髪も似合ってる。



……男の子から人気かはわからないけど、きっと女の子からは注目されるはずだ。



「2人とも、サークルか部活はやってるの?」


「晴香はテニサーに入ってるよ。あたしは特に何も」


「へぇ、何かやろうとは思わなかったの? 暇じゃない?」



不思議そうに首を傾けた雅也に、あたしじゃなくて晴香が呆れたような声を出した。



「生産性がなくて嫌なんだって」


「生産性?」


「代わりにバイトばっかりやってる変人なの」


「ちょっと! 勝手に話を進めないでよ!」



笑い出す雅也に焦って、あたしは思わず晴香を睨みつけた。


そんなあたしを気にする様子もなく、晴香は晴香で大きく笑ってる。



「昨日も朝バイトしてから授業に出てたくせに、夕方にも誰かの代わりで急なシフト引き受けてたんだもん。どんだけ稼ぐんだって感じでしょ?」


「ちょっと! 勝手に変なこと言わないでよ!」


「変なことじゃなくて本当のことでしょー? それより、彼はずっと静かだけど平気なの?」