俺のシンデレラになってくれ!




「さむっ!」


「本当。毎日こんなだと嫌になるよね」



晴香と一緒に食堂までの道のりを歩きながら、あたしは肩を震わせた。


吐き出した息の色は、目に見えるくらいはっきりしてる。



「暑いのも嫌だけど、冬も勘弁してほしいなぁ」


「うん。でも、秋も結構寒いし、春は花粉症で面倒だし、どっちにしても嫌だわ」


「そっか、晴香って花粉症だっけ?」


「杉だけだけどね。それでもダメージ大きいって」



話しながら歩いて、やっと着いた食堂は、外から見ただけでもわかるくらい混み合っていた。



「3限空きコマだから、少しくらいゆっくりしても平気だよね?」


「うん。あたしお弁当持ってきてるから、晴香はゆっくり注文してきなよ。荷物も見ておくから」


「ありがと。あっ、あそこ空いてる!」



そう言いながら歩き出す晴香に、あたしは大人しく従った。


どこに席があるのかはよくわからないのは少しもやもやするけど、他の人よりも早く席を確保することの方が大切だ。


「ここでいいよね? 美砂」


「うん。むしろいい位置じゃない?」



さっと荷物を置いた晴香に、返事を返しながら、私も人の間をぬって席までたどり着いた。


6人掛けの真っ白なテーブルに、にぎやかそうな先客の男の子が4人。


でも、食堂の一番端だし、先客とは逆側は柱になってるから、この人達が授業でいなくなれば、だいぶゆっくり過ごせるはずだ。



「じゃあ、荷物よろしく」


「了解」