俺のシンデレラになってくれ!

「え?あー、いや。まぁでも、ここに押しかけてきたのは俺なわけだし……」


「そうなんだよな……。でも、あの人ここに来すぎじゃない?
清潔にしてるのは、確かにすごく大事だと思うんだけど……」


「あー、あれは、今日が特別仕様なだけだから気にしない方がいいと思う」


「え? どういうこと?」



不安そうに眉を寄せた篤から視線を外す。


そのまま、ちょうど近づいてきた問題の人物をじとっと見つめた。


あたしのそんな態度に気付いて笑う姿は、何とも胡散臭い。



「これ、この間の子?」


「よくわかりましたね、店長」



いつもはレジとか、裏の事務所とかで引きこもりながら仕事をしてることが多いのに、今日に限って客席のチェックに来るなんて…

この人、絶対に性格歪んでる。


金髪だった時の篤しか見たことがない店長が、一発で篤が来たことに気付いたのもびっくりしたけど。


夕方のシフトが終わる頃にお店に来た篤を見て、裏で作業をしてたあたしを呼びに来た店長の目は、無駄にきらきらしていた気がする。


しかも、客席で話していけばいいからなんてドリンクまでくれたのも、ものすごく怪しかった。


「その時点で何となくわかってたんだけどなぁ……」