「けだるい店長には似合わない台詞ですね」
「ひどいし、質問答えてないし。ま、俺みたいに考えられないとファーストフードの店長なんてできないと思うけどねー。篠原には絶対向かないな」
勝手に笑い始めた店長を軽く睨んでから、あたしはまた、写真を見た。
高山さんのふわふわとした素材のスカートは、どんな店で買えば手に入るものなのかも想像がつかない。
それに、あたしには絶対に似合わない。
「でさー、この2人は、篠原的には美男美女で納得なわけ?」
「え? はい、まぁ……」
指で示された篤と高山さんの写真を見て、とりあえず頷く。
でも、店長が何を言いたいのかはさっぱりわからない。
「こっちは? 別の美男美女」
「特集に載るくらいだから、一般的に考えたら美男美女でいいんじゃないですか?」
篤たちの近くの写真を見ながら、何気なく答える。
先の2人ほどぴんとくるものはないけど、ナチュラルな雰囲気の2人は綺麗にまとまってると思う。
ぼーっと写真を眺めていたあたしを見て、店長が小さく笑った。
「それって、篠原は最初の2人のことはちゃんと認めてるけど、次の2人のことは何とも思ってないってことになるなー」


