写真の中にいたのは、紛れもなく、最近よく話す彼だった。
ただ、ふわふわとした髪はびっくりするくらい綺麗な金色に染まっている。
それでも、パーカーが目立つカジュアルな服を着ているところと、しっかりとこっちを見る目も変わらない。
この非現実的な髪色には、おそらく結が関わってるんだと思う。
隣には、にっこりと微笑む高山さんがいた。
「何? この目立つのが知り合い?
これはなかなか勇気がいるなー。昔やったことあるけど、周りの視線がなかなかな」
「店長、金髪にしたことあるんですか?」
「あるある。金ってゆーか、白に近かったかもしれないけどなー。若い間しかできないからやってみた」
「店長って、結構アクティブなんですね」
昔を思い出してるのか、少し上を見上げながら話す店長に声をかけた。
いつもけだるい店長が、写真の中の篤と同じように髪を金色に染めてたなんて意外だ。
染めるのには少し勇気のいりすぎる金色は、篤にはしっくりくるけど店長とは結び付けられない。
「そりゃね。できる間にいろんなことやってみないと損でしょ。
いろんなこと見て、いろんな人と話してみないと損だと思わない?」


