俺のシンデレラになってくれ!


じとっとした目で見つめてみるけど、そんなあたしのことは全く気にしてないのか、店長はフリーペーパーをぱらぱらとめくり始めた。


中はよく見えないけど、大きな写真の雰囲気から、秋にやってた学園祭の記事が載ってるみたいだ。


確かその期間は、授業が休みだったから思いっきりバイトをした記憶がある。



「へぇー大学もいろいろやってんのねー。『学園祭!美男美女特集』だって。見出し漢字ばっかって、どう考えても見にくいだろ」


「サークルの作るものなんて、それくらいじゃないですか?」



そう言いながら、店長が開くページを覗き込む。


あたし用に少しだけ腕を下げてくれた店長のおかげで、特集された美男美女……というか、これはただのカップル特集なのかもしれない。


微笑む男女の写真をいくつか眺めてから、あたしはその中の1つで思わず視線を止めた。



「これって……」


「ん? 知り合いでもいた?」


「あ、はい。一応……」