袋を置いて、その指で手元のモチーフを整えた。
ゴールドのチェーンの先には、小さめの丸いモチーフが続いている。
でもよく見ると、丸じゃない。
三日月と小さい星で作られた丸いモチーフには、１つだけ、控えめな小さい濃いめのピンクの石が付いていた。
「美砂が自分でネックレスを用意してきたのは予想外だったけどさ……」
気まずそうにそう言うと、篤はそのまま肩をすぼめた。
それを見て、雅也がまた、おかしそうに笑っている。
「でも、ネックレスの色が美砂のと違ってゴールドなところなんて、さすがだよなー。テレパシー？」
「しかも、石の色もピンクだし。濃いめだし。今の美砂のインナーにぴったり。前に篤が美砂にあげたニットにも合いそう」
「あぁ、あれも首元開いてた！へー、そこまで考えてたんだ」
「いや、それは考えてなかったけど……」
勝手に進む会話を耳元で流しながら、そっと手のひらを見つめた。
ブレスレットはちょっと邪魔。
ピアスは付ける場所がない。
イヤリングは落としそうだし、指輪は少し気取って見えて嫌。
